エイズという病気とその現状イメージ

エイズという病気とその現状

エイズ(AIDS)とは
増えている感染者・患者数
日本における感染者・患者数
HIVは感染力が非常に弱い
HIV検査
感染していたら
HIV感染者の対応

 

エイズ(AIDS)とは

後天性免疫不全症候群(AIDS)という病気で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により起こります。

 

私達の体は、ウイルスや細菌、カビなどの病原体から体を守る「免疫」という仕組みがあります。
HIVは、人間の血液に入り、主に人間の免疫力の中心的な役割を果たすCD4リンパ球に感染し、破壊します。
このため、普段ならなんともないウイルスや細菌、カビなどの病原体に感染しやすくなり、様々な病気が引き起こされることになります。

 

しかし、HIVに感染してもすぐに免疫の力は弱くなりません。CD4陽性細胞は壊されてもすぐに新しく作られるからです。感染初期は、自覚症状もほとんどありません。したがって、検査を受けない限り、感染者自身もHIVに感染したことに気付きません。感染していても特徴的な症状が出ていない人をHIV感染者といいます。

 

HIV感染者の体内では、数年から10数年かけて、HIVが徐々に増えていき、新しく作られるCD4陽性細胞よりも壊されるCD4陽性細胞が多くなるために免疫の働きが少しずつ低下していきます。このため、健康なときにはかかりにくい感染症や悪性腫瘍にかかったりします。こういう病気にかかった状態を、エイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)といいます。

 

したがって、HIVの感染とAIDSの発病とは違います。HIVの感染によってウイルスは活動し続けているので他のヒトに感染させる可能性があります。

 

増えている感染者・患者数

UNAIDS (国連エイズ合同計画)の「AIDS Epidemic Update 2009」によると、2008年末現在の世界のHIV感染者は3,340万人と推計しています。そのうち女性は、1,570万人で47% 、15歳未満の子供は210万人で6.3%となっています。また、新規感染者は年間270万人、AIDSによる死亡者が200万人となっています。

 

特にサハラ以南アフリカは、現在も最もエイズの影響を受けている地域です。HIV感染者は2,240万人(66%)となっています。この地域は、他の地域と異なり、HIV 感染者の過半数が女性です。2005年の南部アフリカ8カ国(ボツワナ、レソト、モザンビーク、ナミビア、南アフリカ共和国、スワジランド、ザンビア、ジンバブウェ)のHIV 感染率は15%を超えています。エイズによる死亡者の75%はこの地域です。

 

アジアのHIV 感染者は490万人、この一年間に新たに44万人が感染し、エイズ関連疾患で30万人が死亡したと推計されています。 2007年の新規感染者数は、2001年に比べ20%近く増加し、東南アジアのHIV 感染率が最も高くなっています。流行傾向はミャンマー、タイ、カンボジアでは低下してきていますが、インドネシア、ベトナムでは増加が著しくなっています。

 

日本における感染者・患者数

日本においてもHIV感染者、エイズ患者とも、日本では増え続けています。
2008年には、HIV感染者・エイズ患者を合わせた報告数が過去最多となりました。

 

 

HIVは感染力が非常に弱い

HIVは、感染力が非常に弱く、空気中、食べものの中、水の中では生存できません。HIV感染者とおなじプールで泳いでも、同じ皿のなかの食べ物を分けあっても、同じコップで飲んでも感染することはありません。また、HIV感染者が使用した便座や食器を共用しても、握手をしても感染しません。HIVは、カゼやインフルエンザのウイルスのように、咳やくしゃみでうつることはありません。学校・職場等での日常生活ではうつりません。

 

また、HIVは蚊やダニ、その他の人間の血を吸う虫からは感染しません。HIVは、猫などのペットや他の動物によってうつされることはありません。猿や猫の免疫不全をおこすウイルスは、HIVに似ていますが、動物の種類によって別々のウイルスなので互いに感染はしません。

 

感染経路は、性行為による感染、母親から赤ちゃんへの感染(妊娠中、分娩時、ときに母乳を介しての感染)、血液を介しての感染に限られています。 この中でも、性行為(性的接触)による感染が最も多くなっています。

 

HIV検査

不安があったら保健所で相談と検査を受けることができます。HIVは感染しても症状がほとんど無く、感染しているかどうかはHIV検査を受けなければわかりません。感染機会があってから60日以上経過してから検査してください。

 

感染していたら

感染しても発病を抑え、今までと変わらない生活ができます。まず告知を受けた医師と相談して治療をすすめます。抗HIV薬の投与や定期的に自分の免疫状態を知るため、日常の健康管理と通院が大切です。

 

HIV感染者の対応

エイズウィルスは非常に感染力が弱く、日常の生活をおくる上で感染の危険はありません。このため、ごく自然なつきあいで接してあげて下さい。

 

HIV感染者が出血した場合は出血の程度によりますが、大量の出血を伴った場合は、傷口はバスタオルなどを使用して止血し、ほかの人が血液に触れないようにして病院へ行きましょう。また、鼻血など少量の出血であれば、ガーゼなどで止血し、傷口があれば絆創膏を貼っておきましょう。血の付いたガーゼなどは丈夫なビニール袋に入れて結んでから捨ててください。

 

 

東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/index.html


エイズ予防情報ネット
http://api-net.jfap.or.jp/

 

添付画像02

▲カンボジア孤児院

添付画像02

▲カンボジア