礎の石孤児院カンボジア現地責任者 前田克子さん
1997年、ポルポトの傷跡が、まだ人々の心の中に残っていたカンボジアに、一人の日本人女性がやってきた。
貧困と病の中で、人々に見捨てられ、痛めつけられて、孤児となってしまった子どもたち。
彼らの目に再び輝きを取り戻したい、希望を与えたいと、神様の愛だけを武器に、たった一人でやってきた。
それがルツ前田克子さんだった。
カンボジアに住んで二ヶ月目に起こった内乱。初めて見る戦車。
目の前の通りで繰り広げられる銃撃戦に、体の震えが止まらず、もう日本に帰ろうと思った。
その時、前田さんの心の中に響いてきた神様からの声。
「子どもたちを私のところに来させなさい」この声を聞いたとき、彼女の心は決まった。
「ここで死のう。子どもたちとともに。」
内乱は二日間で終わった。
しかし、半年間は、雨の音にさえ目が覚めた。
でもその時から、子どもたちと前田さんの心は、溶かされてつながり始めた。
今でも困難や問題のたびごとに、あの時のことを思い出す。
そしてそのたびに、子どもたちとともに、このカンボジアで生きることを、再び心に誓うのだ。
▲子どもたちと遊ぶ前田さん
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